汚い字のことを俗に「みみずののたくったような文字」といいます。
私の字は汚くて、それはよくお目玉をくらったものです。
紙の上にいくらみみずをのたくっても、釣りの餌にもなりゃしません。
なんとか上達する方法はないかなぁ、とそれは深刻に悩んでいたものです。
その昔私が学生だった頃、学校の掲示板に新学期の講義の時間割が貼りだされました。
その中から「習字」の文字が燦然と光を放っています。
教育学部の学生さん向けの授業かと思いましたが、すぐに受講を決定。
昔使っていたお習字セットを実家から送ってもらい、墨と半紙を購入して用意万端、習字をすれば字がうまくなるだろうと、第一回目の習字の時間を迎えたものです。
学生たちは皆、机の上に道具一式を並べて講師が現れるのを待ちました。
やってきた講師は自己紹介の後、お手本を書いた半紙を配り始めます。
墨痕鮮やかなそのお手本を手に声も無い学生たちに、
「じゃあさっそく始めましょう。さぁ皆さん立ってください」、と講師はおっしゃいました。
スタンダップする学生たち。
「机から少し離れて立って、体の左側を前に向け、右側を後ろに引いて、体の正面が机に対して90度横に向くように立ってください。顔は机の方に向けてね」
従う学生たち。
「じゃあ、次に膝から力を抜いてください。膝をほんの少し曲げて」
「右手に筆をもって下さい。体は左側を机に向けて右側は後ろに引いたままね。顔は正面に向けて、まっすぐ半紙を見て」
「では字を書きます。膝を数回バネをきかせて曲げ伸ばしし、膝を伸ばすタイミングで体を少しひねって体の正面を机に向けつつ右手を前へ伸ばしてさっと字を書きます」
講師がお手本を見せてくれましたが、ぐいぐいと膝をほんの少し軽く屈伸させてから、膝を伸ばすのと同時に体の右側を机に向かってひねりつつ、右手を伸ばして字の一部を書き(ひらがなの「は」なら、左側の棒だけ)、また体の左側を机に向けて正面を机に対して横にし、再度何回か膝の屈伸、体の右側を机に向けつつ右手を伸ばして字の残りを書く。また体の正面を・・・を繰り返し、やっと一枚の習字が完成しました。
それはどこかの国の知られざる武術ですか?という様でした。
青ざめる学生たち。
「じゃ、書いてみてください」
その後90分、立ちっぱなしでエンドレスとも思われる習字タイムとなりました。
「そこ! 膝が硬い! もっとバネをきかせて」
「フォームが悪い」
「間の取り方がよくない」
「動きのバランスが悪い」
どこの運動部やねんと思われるような指導の言葉を耳にしつつ書き上げた習字は以下のようなもの。

半紙は正方形です。
字はまっすぐには書きません。
習字の時間が終わると、学生たちの膝はがくがく、手はぷるぷる、額に浮かぶは一筋の汗、涼風の立つようなさわやかな文学部の講義の光景でした。
半年間欠席もせずこの授業を受けましたが、私の手書き文字のみみずぶりは相変わらずです。
今でも私の手書きメモにはみみずが踊ったりはねたりと躍動していますが、まぁ、個性だし、いいか、とあきらめています。
それにしても、教育学部の学生さんたちの何人かは先生になったと思いますが、彼らがちゃんと子供たちに「立って書く習字の書き方」を伝授し続けているのか、そればかりが非常に気がかりです。
この話題は「札幌 賃貸」のピタットハウス札幌中央店、「旭川 賃貸」のピタットハウス旭川店の提供で伊藤がお送りしました。
私の字は汚くて、それはよくお目玉をくらったものです。
紙の上にいくらみみずをのたくっても、釣りの餌にもなりゃしません。
なんとか上達する方法はないかなぁ、とそれは深刻に悩んでいたものです。
その昔私が学生だった頃、学校の掲示板に新学期の講義の時間割が貼りだされました。
その中から「習字」の文字が燦然と光を放っています。
教育学部の学生さん向けの授業かと思いましたが、すぐに受講を決定。
昔使っていたお習字セットを実家から送ってもらい、墨と半紙を購入して用意万端、習字をすれば字がうまくなるだろうと、第一回目の習字の時間を迎えたものです。
学生たちは皆、机の上に道具一式を並べて講師が現れるのを待ちました。
やってきた講師は自己紹介の後、お手本を書いた半紙を配り始めます。
墨痕鮮やかなそのお手本を手に声も無い学生たちに、
「じゃあさっそく始めましょう。さぁ皆さん立ってください」、と講師はおっしゃいました。
スタンダップする学生たち。
「机から少し離れて立って、体の左側を前に向け、右側を後ろに引いて、体の正面が机に対して90度横に向くように立ってください。顔は机の方に向けてね」
従う学生たち。
「じゃあ、次に膝から力を抜いてください。膝をほんの少し曲げて」
「右手に筆をもって下さい。体は左側を机に向けて右側は後ろに引いたままね。顔は正面に向けて、まっすぐ半紙を見て」
「では字を書きます。膝を数回バネをきかせて曲げ伸ばしし、膝を伸ばすタイミングで体を少しひねって体の正面を机に向けつつ右手を前へ伸ばしてさっと字を書きます」
講師がお手本を見せてくれましたが、ぐいぐいと膝をほんの少し軽く屈伸させてから、膝を伸ばすのと同時に体の右側を机に向かってひねりつつ、右手を伸ばして字の一部を書き(ひらがなの「は」なら、左側の棒だけ)、また体の左側を机に向けて正面を机に対して横にし、再度何回か膝の屈伸、体の右側を机に向けつつ右手を伸ばして字の残りを書く。また体の正面を・・・を繰り返し、やっと一枚の習字が完成しました。
それはどこかの国の知られざる武術ですか?という様でした。
青ざめる学生たち。
「じゃ、書いてみてください」
その後90分、立ちっぱなしでエンドレスとも思われる習字タイムとなりました。
「そこ! 膝が硬い! もっとバネをきかせて」
「フォームが悪い」
「間の取り方がよくない」
「動きのバランスが悪い」
どこの運動部やねんと思われるような指導の言葉を耳にしつつ書き上げた習字は以下のようなもの。

半紙は正方形です。
字はまっすぐには書きません。
習字の時間が終わると、学生たちの膝はがくがく、手はぷるぷる、額に浮かぶは一筋の汗、涼風の立つようなさわやかな文学部の講義の光景でした。
半年間欠席もせずこの授業を受けましたが、私の手書き文字のみみずぶりは相変わらずです。
今でも私の手書きメモにはみみずが踊ったりはねたりと躍動していますが、まぁ、個性だし、いいか、とあきらめています。
それにしても、教育学部の学生さんたちの何人かは先生になったと思いますが、彼らがちゃんと子供たちに「立って書く習字の書き方」を伝授し続けているのか、そればかりが非常に気がかりです。
この話題は「札幌 賃貸」のピタットハウス札幌中央店、「旭川 賃貸」のピタットハウス旭川店の提供で伊藤がお送りしました。
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